そんな意味があったの!?犬の寝相(-_-)zzzを行動学で解説!

ライフ2020年3月11日by 大谷幸代さん
もっちゃん(@mochiyan0310)
もっちゃん(@mochiyan0310)

すやすや眠る愛犬に癒される、いつまでも見つめていたい!こんな瞬間はまさに至福の時ですね。
犬はどんなに歳をとっても、寝顔だけは子犬の時のままとも言われます。誰もが愛犬の寝顔に癒されるのも納得ですね。今回は様々な「寝相」を犬の行動学の目線から分析してみました。

実は誰もよりも信頼しきっている証!背中合わせの仲良し寝

📷:美濃柴犬の権三くん・一二三ちゃん・零ちゃん(@yosshy77)📷:美濃柴犬の権三くん・一二三ちゃん・零ちゃん(@yosshy77)

美濃柴犬の権三くん・一二三ちゃん・零ちゃんからいただいた「寝相」は、3匹がいかに仲が良いのかが伝わる素敵な1枚ですね。
仲良しな多頭飼いの寝姿ときくと、ワンコ同士が重なりあい、寄り添い眠る姿を想像される方も多いでしょう。
この写真は3匹が適度な距離をとり、その上、背中を向けています。仲がいいの?それとも・・・?と感じてしまうのも当然です。

ではこの寝相を犬の心理、行動の面からみるとどうでしょうか?

犬が相手に背中を向けるということは、「相手を心から信頼している、安心している」という証です。その上、無防備な状態である眠っている最中ですから、なおのことです。
犬同士が寄り添い、体を寄せ合いながら眠るのは、生後間もない時期、授乳中の子犬に限られた行動です。その後、離乳を経て、それぞれが成長をとげると、次第に自分だけで眠る、守るべき相手に寄り添い眠るというように寝方からも成長が感じられるようになります。

権三くん・一二三ちゃん・零ちゃんが適度な距離を保ち眠る姿からは、それぞれが精神的にしっかりと大人になっていること、その上で共に暮らすお互いを心から大切に感じていることが見て取れます。

3匹の多頭飼いはお互いのパワーバランスが難しく、時には1匹だけが遠く離れて眠ることや、生活全般において他からはじき出されてしまうことが珍しくありません。
このようにお互いがバランスのよい距離感を保っていることからも、3匹の素晴らしい関係性がわかる微笑ましい寝相です。
多頭飼いでは必ずしも寄り添い眠ることが仲の良さではありません。愛犬の精神面での成長も加味してみると、意外な関係性が見えてくるでしょう。実は我が家も仲良しだったの!と気がつけたら、もっと愛犬の寝相が愛おしく感じられるでしょう。

枕愛用は犬だからこそ!家族そっくりな寝姿勢

リリーちゃん(@lily0219leo0822)リリーちゃん(@lily0219leo0822)

枕を使って眠るワンコは意外にも多いのはご存知でしたか?!この写真から「うちのワンコも同じ!」と感じた方も多いでしょう。

リリーちゃんが遊び疲れ眠る姿はまるで人間そのものです!
実は犬には「犬だけが持つ特別な能力」があります。それは人間の感情に共感する脳内ホルモンの分泌が引き起こします。様々な動物の中でも、犬は他種族の生き物と共同で生活をし、感情に共感する唯一の生き物だといわれています。同じように人間と暮らす猫にはこの能力が備わっていません。

このような能力を持つ犬は、人間と暮らす中で人間が眠る姿を目にして、「寝方」を家族から学んでいるのでしょう。リリーちゃんの寝相もきっと家族の誰かに似ているのではないでしょうか。家族と同じ寝方をすることが、安全で安心で快適だと理解しているのです。

また犬も人間同様に「肩こり」があります。日常生活で肩~首には大変な負荷がかかり、筋肉も張り詰めています。体を横たえ眠る時に、枕があることで肩~首の筋肉の支えになり、辛い肩こりが解消できることも、枕を使う理由ではと考えられます。
もちろんワンコにとって枕に家族の臭いが残っていることも大切なポイントです。大好きな家族の存在を感じながら眠りにつく時間は愛犬にとって至福の時です。もしかすると枕を使う最大の理由はこの点なのかもですね。

ジャストサイズのパジャマで安眠!ぎゅっと感が大事!

アルちゃん(@princess.al.0125)アルちゃん(@princess.al.0125)

眠る時は、ワンコもパジャマにお着換えを!家族のパジャマはゆるっとサイズを選びますが、愛犬にはあえてジャストサイズ、体にフィットする素材がおすすめです。

ジャストサイズは窮屈じゃない?寝にくいのでは?と感じるでしょう。
犬はあえて窮屈な場所、狭く薄暗い場所を好み、そのような環境でこそ安心感を得られるという習性があります。適度な窮屈さは快適であって、辛いものではありません。


犬は、あえて体に窮屈さを感じさせることで、自身が生まれた直後を連想するといわれています。生まれた直後、授乳中は母犬や兄弟と寄り添い、窮屈なほどに身を寄せ合い眠り、過ごしています。同じ感覚を覚えることで、より深い安心感を得られるのでしょう。

千依ちゃん&優音ちゃん(@shinju.c.m)千依ちゃん&優音ちゃん(@shinju.c.m)

もし夜中にそわそわと動き回ってしまう、寝静まった室内で吠えてしまう、留守番中の無駄吠えが気になるという場合は、ジャストサイズのパジャマで解消できる場合もあります。

またパジャマを着せると、愛犬の抜け毛対策にも効果的です。寝具についた抜け毛の掃除は何かと大変!でもパジャマを着せることで、抜け毛はパジャマの中に収まり飛散しません。愛犬も一緒のベッドで寝ています!というご家庭にぜひおすすめしたい方法です。

ふと目にした愛犬の寝相に癒されたり、笑いがおきたり、時にはビックリさせられたり。犬の行動には様々な意味が隠れていることを知ると、今まで以上に愛犬が愛おしく感じますね。かわいい寝相はたった一度きりの奇跡ということもあります。もし出会えた時は、記念写真を残しておくことをおすすめします。

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記事執筆&監修:
大谷幸代さん大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

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