毎食、いつものドッグフードを食器に盛り付ける・・・こんな当たり前の風景にふと違和感を覚えたことはありませんか?愛犬の食欲がなく、食事をさほど喜んでくれていないとなれば、更にモヤモヤした気分になりますね。
人間と同じく、ワンコたちにとっても毎日の食事は大きなたのしみ。初心者には難しく感じてしまうトッピングですが、難しく考えすぎず、季節や愛犬の食欲、食材の食感に合わせてアレンジを楽しみましょう。この記事では、トッピングの基本と家族の経験値や愛犬の状態別、おすすめ素材と調理法を紹介します。
わくわくトッピング!愛犬の食生活に彩りを。
愛犬の食事は総合栄養食であることが絶対条件という方がほとんどではないでしょうか?
総合栄養食の基準値を満たしているドッグフードと水があれば犬は健康維持に必要な栄養素をバランスよく摂取することができます。つまり、総合栄養食と水だけで生命維持が可能ということですね。
犬の栄養学の観点からみると、総合栄養食を毎食与えている場合、トッピングは不要という結論に至りますが、単に生命維持だけを期待して愛犬と暮らしているという方は少ないと思います。食事の時間を楽しみに待っている様子や、だいすきな食材がトッピングされることに気がつきワクワクする様子、たまにある好き嫌いも含め、食に関する愛犬の喜怒哀楽すべてが愛おしく生活に彩りをあたえてくれているはずです。
トッピングには、家族が愛犬の生活に”幸せでワクワクする瞬間を届ける”という意味もあります。栄養学理論から算出される数値だけでトッピングの要否を判断せず、愛犬のきもちにも視野をひろげ、日々の食事を考えてみましょう。
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総合栄養食は白米、トッピングはおかず
「美味しいお米があれば他には何も要らない!」こんな言葉を耳にしたことはありませんか?
お米は人間が健康的な生活を送り、生命を維持するために最適といわれる食材ですが、毎食、白米のみの生活を送る自分の姿を想像してみてください。なんだかちょっと物足りない気分になりませんか?
たまには肉や魚、ファーストフードやスイーツを食べたいと感じますね。この、「白米以外も食べたい」と感じる気持ちはワンコも同じです。
毎日の生活に嬉しい瞬間がたくさん増えることは、健康増進にも効果的。難しく考えず、気軽に、気分転換を楽しんでゆきましょう。
栄養バランスは崩れない?カロリーオーバーが心配な時は?
トッピングに挑戦したいものの、「うちのワンコはぽっちゃり気味なのでカロリーオーバーが心配」「栄養バランスの計算が難しい」「いつも同じ食材ばかりになりそう」「調理が難しそう」こんなお悩みで諦めてしまっていませんか?
そんなときは以下の基本3点に気をつけながらトッピングをはじめてゆきましょう。
- ドッグフード給与量の調整
トッピングによって、ドッグフードのみの給与に比べて合計摂取カロリーは増えます。トッピングをする際はそのカロリーを計算し、ドッグフードの給与量の調整を忘れずにおこないましょう。
- 体重管理は1カ月単位で
犬の体重のわずかな増減は日々起こります。体重の推移は数日という短い単位はなく、1カ月を目安にチェックしましょう。1カ月に1度の体重測定を習慣化し、体重増がある場合はトッピングの食材を野菜などの低カロリーのもの中心にしたり、ドッグフードの給与量を減らしたりして肥満予防を心掛けましょう。体重が減ってしまった場合は、主食となるドッグフードを増やしたり、高栄養、高タンパクな食材をトッピングに取り入れます。
ドッグフードを何g減らせば適量か?トッピングの分量は?カロリーは?と突き詰めて考えても完璧な答えにはたどり着くのは難しいもの。ドッグフードの分量は、トッピング食材やその日の愛犬の様子、運動量に併せて柔軟に考えましょう。
- ワンコには与えてはいけない食材
人間にとって栄養満点な食材が、犬にも同じ効果をもたらしてくれるわけではありません。トッピングには適さない食材はあらかじめチェックしておきましょう。犬に与えてはいけない代表的な食材であるネギは、刻んだり、スライスしたりとネギそのものの形状があることはもちろん、ネギ入りスープやネギの成分だけでも中毒を起こす危険があるので注意しましょう。
詳細は関連記事をご確認ください
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初心者でも簡単!3分で完成のトッピング
トッピングは難しいのではと躊躇してしまっている方へ、簡単にできるトッピングレシピを紹介します。混ぜるだけ、かけるだけ、レンジで加熱するだけ、と、作り方はとっても簡単です。
オススメの食材は、以下の通り。いつものドッグフードにふりかけるだけで完成です。
食材を刻むサイズを変えてみたり、2種類の食材を混ぜたりといったアレンジで、レパートリーは無限大です。
- 鰹節
風味が強い、カロリーが低い、ドライフードにまぶしやすいです。
- チーズ
風味が強く、栄養価が高いです。
- オリーブオイル
良質な脂肪分を追加することで毛艶改善を期待できます。
- ササミ、鶏の砂ぎも、白身魚
低脂肪、低カロリー、加熱のみで簡単に食べることができます。
- 鮭、サバ、ひき肉
脂肪分が高く、加熱すると脂肪分が溶け出し風味が強くなります。
- ヨーグルト
乳酸菌が豊富で便秘や下痢の改善を期待できます。
プードルの様に口周りの被毛が長いワンコにヨーグルトをトッピングする時は、ひとてまかけて余分な水分を取り除くとカッテージチーズに早変わり!これなら食後の口周りの汚れも心配ありません。
- ザルにキッチンペーパーを敷く
- キッチンペーパーの上にヨーグルトを乗せ、数分待つ
- キッチンペーパーで包んだヨーグルトを軽く絞る
ヨーグルトの風味が食欲をアップさせ、腸内環境の改善も期待できますよ。
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シニア・少食ワンコ向け、ちょっと上級者向けのトッピング
固い物は苦手、少食や偏食が深刻というワンコには、食習慣を改善することを最優先課題と考え、トッピングに取り組みましょう。総合栄養食であるドライフードは、適切な量とバランスの栄養を摂取することが大きな目的であり、必ずしも固いままで食べる必要はありません。
ふやかしたドライフードを、以下のようにアレンジを加えてみてはいかがでしょうか?
- ひき肉と混ぜミートボール風に
- 白米や鮭と混ぜ合わせチャーハン風に
- ササミと混ぜて、食パンに塗るペースト風に
まずは愛犬に毎日食事をすることを習慣化してもらいましょう。食事のリズムが安定し、胃腸の動きが活発になると自然とお腹が空くはずです。お腹が空けば、愛犬自ら食事の催促もしてくれるようになります。愛犬の食欲や大好物を見つけながら、食事の楽しさを実感してもらいましょう。
<関連記事>犬の夏バテ予防!いつもの食事にひと工夫、トッピングレシピ (ミートボールシチューのレシピを紹介しています。)
トッピングすべき栄養素のヒントは、愛犬の体の状態に。
トッピングの基本は、体に足りない栄養を補うことです。どんな食材を、いつトッピングすべき?
この答えは愛犬自身が発してくれています。
- 皮膚や被毛にお悩みがある場合
被毛に艶が無い、バサバサとした固い手触り、フケが目立つ。愛犬がこんな状態の時には、油分のトッピングが効果的です。おすすめの食材はオリーブオイル、アマニオイルなどの植物性油脂です。
植物性油脂は皮膚、被毛の改善に効果が期待できます。肉や魚に含まれる動物性油脂に比べて太りにくい点も魅力です。小型犬であれば毎食のドッグフードにティースプーン1杯程度の植物性油脂を混ぜ合わせてみてください。数か月続けることで次第に改善を感じられるようになるはずです。
- 胃腸の調子にお悩みがある場合
胃腸のトラブルは下痢だけではなく便秘にも注意が必要です。ドライフードを主食とする場合、水分量不足が慢性化し、便秘が続くことも珍しくありません。
このような愛犬には、ヨーグルト、チーズ、バナナ、納豆など胃腸の働きを活発化してくれる食材のトッピングがオススメです。胃腸を良好な状態に保つには、トッピングを習慣化して毎日毎食継続することが効果的です。
愛犬の便の様子をこまめに観察し、健康的な排便が続いているか、トッピングを中止しても良好な状態が維持できているかで、トッピングの分量や継続すべきかを見極めましょう。
- 夏バテや寒さによる運動量の減少など、季節性のお悩みがある場合
犬も季節によって体調の変動があります。
暑い季節には、キュウリ、トマト、ナス、キャベツなど水分量が多く、体を冷やす効果のある食材がオススメです。ただし、生のままで与えると消化吸収に負担になる場合があるので、加熱したり、小さく刻み与えましょう。
寒い季節には、脂肪分の多い肉類、鮭・サバ、かぼちゃ・サツマイモなどがおすすめです。つい運動量が減り、食欲は不安定になり、新陳代謝も低下しがちで気分も沈みがちな寒い日は、こういった風味が強く、愛犬の食欲を刺激してくれる食材がおすすめですよ。
トッピングの意味や効果は認識していても、毎食手の込んだトッピングを考えるのは現実的に難しく、家族も一苦労ですよね。手軽に出来るアレンジと、特別メニューをローテーションしながら、気軽な気持ちでトッピングを楽しんでみてください。