【ドッグトレーナー監修】身につけておきたい散歩マナーの基本

しつけ2022年11月9日by 大谷幸代さん

秋晴れが続き、ワンコとのお散歩が気持ちよい季節になりましたね。外出が楽しみな一方、予想外のワンコの動きや周囲の環境が原因となり、時には事故や怪我が起きてしまうことも。この記事では、ドッグトレーナーの大谷幸代さん監修のもと、安心・安全な散歩のために最低限身につけておきたいしつけやマナーについて解説します。

意外と多い💡ウンチの片付け中の事故

屋外での犬の事故やトラブルの多くは、家族の目線が犬から離れてウンチの片付けをするタイミングで起きています。このわずかな時間のあいだに、犬は動物的習性から一刻も早く排泄物から遠ざかろうとリードをグイグイ引っ張るためです。

ウンチ片付け中の事故や怪我の事例

  • 愛犬が前触れなく興奮し、リードを不意に引っ張り飼い主が転倒し怪我を負った。
  • 通行人に飛びつき、転倒させてしまった。
  • 夜間の時間帯、自転車の接近に気付かず犬と自転車が接触してしまった。

このような事故を防ぐため、ウンチの片付け時は以下の手順を心がけてみてください。

1.排泄後は愛犬を安全で周囲に邪魔にならない場所へ誘導する。

リードを短く持ち家族の近くへ引き寄せたり、道路の端に寄るなどし、周囲の邪魔にならない場所に愛犬を移動させましょう。

2.愛犬に「お座り→マテ」の指示を出す。

家族が片付けをしている間になにをすべきかの指示がないと、ワンコたちは思うがままに行動してしまいます。片付け中は座って待つことができるよう、しっかり指示をだしましょう。

3.ウンチを拾う。

焦らず、安全に片づけを済ませましょう。

4.散歩を再開する。

ウンチを拾い終わるまで待つことができたら、愛犬にご褒美でオヤツを与え、大いに褒めてあげましょう。

毎日の散歩で必ず起こるウンチを拾う場面ですが、思わぬ事故や怪我につながる危険もあるので、日ごろから「お座り」「マテ」を身につけ習慣にしておきましょう。

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伸縮リードを使用する際は、行動を制御できる範囲に長さを設定

人間は自分のペースを保って歩くことができ、ワンコは行動範囲を広げて駆け回れる伸縮性リード。人気のお散歩アイテムですが、誤った使い方による事故が多発しているため、使用には注意が必要です。

伸縮性リードは、どこでも自由に愛犬を歩かせることが目的のアイテムではないため、TPOに合わせた長さの調整が必要です。これから紹介するような場面では短くし、公園や海岸など周囲に危険がなく思い切り走り回ることができる場所では長くするなど、正しい使い方を心がけましょう。

伸縮式リード使用中の事故や怪我の事例

  • リードが道幅いっぱいに伸びた状態での散歩中に自転車が接近し、タイヤにリードが絡まり自転車を転倒させてしまった。
  • 伸縮ロックが不十分な状態での散歩中、突然興奮した愛犬が他犬に飛びいた。事故発生時に愛犬は飼い主から数メートル先に動いていたため制御することができず相手の犬に怪我を負わせてしまった。
  • 多頭飼いで伸縮式リードを使っていたところ、2本が絡まり巻き取り機能が作動せず、焦った飼い主の手にリードが絡まり怪我をした。

愛犬の安全を守るため、以下に挙げるような場所では、リードを短く調整し「常に」家族の手が届く範囲を歩かせましょう。

  • 道幅が狭かったり、交通量が多い場所
  • 通学路や学校周辺など、子供が多い場所
  • 見通しが悪くなる夜間の時間帯
  • 自転車とすれ違う可能性のある場所

家族の手が届く範囲とは、首輪やハーネスをつかんだり瞬時に抱き上げることによって安全を確保できる範囲です。例えば、自転車の接近に気が付いて安全を確保しようと思っても、リードが張るほど離れた場所を愛犬が歩いていると手が届かず瞬時に対応することができずに手遅れになる可能性があります。

家族の足元を歩いていれば、しゃがんだり地面に手を伸ばすだけで愛犬の安全を確保できます。周囲の状況をしっかり見極め、リードは適切な長さを保ちましょう。

※参考までに、伸縮しないスタンダードリードの平均的な長さは120㎝です。この長さは大人の足であれば軽く一歩踏み出す程度です。この範囲内に愛犬がいてくれれば、もしもの時も瞬時に愛犬を確保し、危険から守ことができます。

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今日からできる安全な歩き方

愛犬が家族と歩調を合わせ、引っ張らずに歩く脚即歩行(リーダーウォーク)の完璧な習得には時間がかかりますが、「リードを短く持つ」という対策であれば、すぐにできます。リードが短い状態で家族と歩調を合わせて歩くことは犬にとって窮屈な行為ですが、根気よく続けることで気がつけば習慣になり、当たり前になります。あきらめていた愛犬の引っ張り癖も、リードの持ち方を変えるだけで身に着けることが可能です。ぜひ挑戦してみてください。

<関連記事>元気いっぱい引っ張り癖!その対策

楽しいイベント目白押し!この季節にあると便利なお散歩アイテム

クリスマスに年末年始の休暇、お正月とこれからの季節は楽しいイベントが目白押しですね。愛犬とのお出かけの機会も増え、お散歩アイテムを買い足す方も多いでしょう。これから新たにお散歩アイテムを購入する方にオススメはペットカートや発光首輪です。

  • ペットカート

イルミネーションスポットや人気観光地には人混みができ、犬が雑踏で怪我をすることがあります。スムーズに、安全に移動するためにも、ペットカートを活用しましょう。

  • 発光首輪、発光リード

日没後は通行人や自転車、バイクの運転手の視界が狭くなり、人間の足元を歩く犬の存在は見落とされやすくなります。日没が早まるこの季節は、周囲に愛犬の存在をアピールするため、発光する首輪、ネックレス、チャーム、リードなどを身に着けて外出しましょう。

まとめ

しつけが甘くなりがちな小型~中型犬も、ウンチを拾う時は「オスワリ・マテ」を、人通りの多い場所を歩く時はリードの長さ調整を心がけましょう。また夜間の散歩やお出掛けには愛犬の存在が周囲に伝わるように光アイテムをぜひ取り入れてみてください。

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記事執筆&監修:
大谷幸代さん大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

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