【トリマー監修】正しい犬の爪切りの方法

ライフ2023年3月30日by 前住希望さん

人間と異なり、血管や神経が通っている犬の爪。日常的なケアが欠かせない部位ではあるものの、血管や神経を傷つけずに爪切りをおこなうにはコツがあるため、初心者には難しいこともあります。この記事では、トリミングサロンブルーム麻布台 トリマーの前住希望さん監修のもと、正しい爪切りの方法と、嫌がるワンコへの対処法を解説します。


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なぜ定期的な爪切りが必要なの?

犬の爪は、ほっておくと伸び続けます。人間と異なり、犬の爪は放置すると内側方向への巻き爪になるため、肉球に刺さってしまったり、爪ごと折れてとれてしまうこともあります。

伸びた爪を噛みだしてしまう犬もおり、噛むことでギザギザになる爪の先端が思わぬ怪我の原因になります。顔を足で掻くタイミングで目や耳を傷つけてしまったり、他犬や飼い主とじゃれ合う時に怪我をさせてしまったりします。

また、爪を切らずに放置すると、血管や神経のある層が伸び始めるため、短く整えることが難しくなります。血管や神経のある層が伸びた爪を短くする際は、血を出しながら爪を短くする「血管切り」という痛みを伴う手法を用いて対処しなければならなくなるため、定期的にケアして一定の長さに保つ必要があります。

爪切りの推奨頻度

  • 散歩など、外出が多いワンコ

コンクリートとの接触で自然に爪が削れるため、爪切りの頻度は1カ月に1回程度でよいでしょう。大型犬など体重のあるワンコであれば、足先への重みで爪が削れやすいため、更に頻度を下げても問題ありません。

  • 室内飼いの小型犬や、パピー

外出がほぼない室内犬は自然に爪が削れる機会がほぼないため、3週間に1回程度はケアしましょう。子犬期は成犬期と比較して爪が鋭いため、同様に3週間に1回程度のケアが推奨です。

頻度はあくまでも目安です。シニア期になると爪の伸びが遅くなる子もいたりするため、速度には個体差があります。普段から愛犬の爪の状態をチェックし、その子にあった頻度で適切な長さにキープしましょう。


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適切な長さってどれぐらい?

人間が爪切りをする際に、先の白い部分を中心にケアするのと同様、犬の場合も血管・神経に触らないギリギリの箇所まで整えることをおすすめします。歩いた時に爪が床にあたらない程度(フローリングを歩いたときにカチャカチャと音がならない)が適切な長さです。犬には白爪をもつ子と黒爪をもつ子がいるため、爪の色に合わせて注意点を確認し、爪切りをおこないましょう。

白爪の場合

上段/血管がどこまであるかチェック! 中段/血管ギリギリでカット 下段/カット完了上段/血管がどこまであるかチェック! 中段/血管ギリギリでカット 下段/カット完了

表面からピンクの血管がうっすらと確認できます。血管ギリギリの長さまで切りましょう。慣れないと深爪してしまう場合もあるため、爪先の尖ってる角だけを切ってあげるとよいです。カットする際は、肉球を指で軽く押すと爪が露出するため、切りやすくなります。


黒爪の場合

白爪と異なり、表面から血管の場所が確認できないため、爪切りをおこなう際は、断面を注意深く観察しながら切り進めます。白く乾いた粉が断面から出ている間はOKなのですが、切り進めるにあたって粉が出なくなり、断面が湿ってきます。断面が柔らかく湿ってきたら血管が近づいているサインです。ストップしましょう。

この辺りまで切り進めたらストップこの辺りまで切り進めたらストップ

仕上げにはやすりを使う

仕上げのヤスリは切った爪の断面ではなく、側面の角を丸めるイメージでかけましょう。断面をやすると血管・神経の手前まで爪が切られていた場合、犬が痛みを感じるので気をつけましょう。


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自宅で爪切りをおこなう際のコツ

はさみ、ニッパー、電動など様々なタイプの爪切りが販売されていますが、自宅で爪切りをおこなう時は、先端の丸い穴に爪を入れて切る、安定感のあるギロチンタイプがおすすめです。はさみやニッパーは、巻き爪が肉球に食いこんでいる場合、対処のため補助的に使用します。

安全のため、2名体勢がおすすめ

自宅で爪切りをおこなう際は、安全のため2名体勢でおこなうことをおすすめします。

1名が保定を、1名は爪切りを担当1名が保定を、1名は爪切りを担当

1名が保定を、もう1名が爪切りを担当します。愛犬が爪切り嫌いな場合は、保定担当がおやつを準備し、噛んだり暴れたりせずに爪切りできたらご褒美をあげたりして、気をそらしながらすすめるとよいでしょう。写真は保定方法の一例です。その子にあった、安心できる体勢を選びましょう。

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爪切りグッズとお気に入りのおやつを揃えよう爪切りグッズとお気に入りのおやつを揃えよう


肉球はとても敏感な感覚器官のため、爪切りどころか足に触れられるのさえ苦手な犬もいます。その場合は、全ての爪を一度に切ろうとせず、1日に1本ずつなど、段階を分けておこないましょう。

おやつをうまく使いながら、「爪を切る→できたら褒める」のステップを繰り返し、「爪切り=嬉しいことがある」というイメージをもってもらい、まずは足や爪に触れること慣れさせることから始めることがポイントです。

他にも、爪を切る際の振動や、「パチン」という音が苦手な犬もいます。振動が苦手な場合はやすりから慣れさせる、音が苦手な場合は一度にある程度の長さを切ってしまうなど、苦手ポイントをフォローしながら対処するとストレスなくスムーズに爪切りを進めることができるでしょう。

<関連記事>実はストレス?散歩後の足ふき。ワンコの肉球について解説!

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笑顔で爪切り🥰笑顔で爪切り🥰

犬の爪切りはコツを掴むまではなかなか難しいもの。一度でも怖い思いや痛みを経験すると愛犬も爪切りに及び腰になってしまいます。少しでも技術に不安がある場合は、トリミングサロンや動物病院を上手に利用し愛犬を爪切りに慣れさせることから始めましょう。


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記事執筆&監修:
前住希望さん前住希望さんトリミングサロンブルーム麻布台 トリマー

トリマーとして大事にしていることはお客様のお話にしっかり耳を傾けること、そしてお客様の思いを実現するための技術向上です。それぞれのわんちゃんに合った素敵で可愛いスタイルを考えていきましょう。

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