明るく社交的、お出かけ大好きなダックスフンド。お洒落も思い切り楽しみたいですね!
この記事では、バラエティに富むサイズや毛質、毛色で個性豊かなダックスフンドに注目し、そのルーツと種類をおさらいしながら、熱中症・紫外線・やけどなどのリスクに対してワンコ服がどのように機能するか、改めて解説してゆきます。
サイズと毛質、カラーの掛け算で、バラエティに富んだ見た目
サイズ
ダックスフンドには、3つのサイズバリエーションがあり、その大きさの違いよって呼び名が異なります。
サイズが大きいものから並べると・・・ダックスフンドの原型となった「スタンダード」。続いて、国内で一番飼育頭数の多い「ミニチュア」、一番小柄な「カニンヘン」、と続きます。
- ダックスフンド
「スタンダード」と呼ばれる大柄タイプです。標準的な体重は10kgを超え、「ミニチュア」の2倍程度のサイズ感です。
ルーツであるドイツでは、スタンダードダックスフンドを連れ、うさぎなどの狩りに出かけることが生活の一部であり、レジャーでもありました。活発で遊び好き、知能レベルが高く、飼い主の言葉に従順、持久力があり運動神経も抜群とダックスフンドは優れた猟犬として大活躍をしていました。
ダックスフンドの細く長いマズルは、大きく響きわたる鳴き声を発することができます。肺機能は発達しており、走りながら吠え続けることができるという特性につながっています。
- ミニチュアダックスフンド
ドイツのみならず、ヨーロッパでは、古くから犬を連れた猟をレジャーとして楽しむ習慣がありました。
ダックスフンドもレジャーとして猟に参加する中で、ウサギよりも小さなアナグマを追う機会がたびたびありました。アナグマは農作物を荒らすことで人間に被害を与えることもあり、レジャーと駆除の両面からダックスフンドの活躍が期待されました。アナグマは地面に迷路状の細い巣穴を作る習性があり、危険を察知すると即座に巣穴に逃げ込みます。せっかくアナグマを見つけても、スタンダードのダックスフンドでは体が大きすぎて巣穴の奥まで追いかけることができず、取り逃がしてしまいます。そこで、アナグマと同等サイズのミニチュア・ダックスフンドが誕生。小柄なミニチュアダックスフンドはアナグマの巣穴の中にまで入り込み、追いかけることができました。
愛らしい外見のミニチュアダックスフンドですが、そのルーツは、アナグマを追いかけ、仕留めるための、先人の生活の知恵がルーツだったのです。
- カニンヘンダックスフンド
胴長短足で、明るく社交的な性格のダックスフンドは、瞬く間に世界中で人気の的となり、狩猟犬としてはではなく、ペットとしての暮らしが当たり前となりました。そこで、より小さく扱いやすいサイズへの要望が高まった結果、誕生したサイズがカニンヘンダックスフンドです。カニンヘンダックスフンドの歴史は最も浅く、JKC(※一般社団法人ジャパンケネルクラブ)によるサイズの認定基準や血統証発行に関するルールも都度変更がされています。
毛質(被毛のタイプ)
さらに、それぞれのサイズに掛け合わせて、以下の3種類の毛質 と、豊富なカラーバリエーションがあります。他犬種に比べて外見がバラエティに富み、個性が光りますね。
- スムースヘアー
ダックスフンドの元祖と呼ばれる短毛スタイルです。発達した筋肉や深い胸板、ダックスフンドならではのボディラインが強調された外見を持ちます。この毛質を持つダックスフンドは活動的で自己主張がハッキリしているタイプが多く、アウトドアやスポーツが大好きです。そしてお手入れの簡単さが魅力です。
- ロングヘアー
耳や尾、お腹と手触りのいい飾り毛が生え、華やかな印象が特徴です。定期的なカットが必要なく、お手入れは自宅でも手軽に済ませることができます。この毛質を持つダックスフンドは甘えん坊で社交的、多頭飼いに向くタイプが多く、愛犬といつでも一緒に過ごしたいというご家族にピッタリです。
- ワイヤーヘアー
体形はダックスフンドでありながら、毛質はテリア特有の剛毛を持つ大変珍しいタイプです。被毛は定期的なカットが必要で、トリミング用ナイフで被毛を引き抜くという特殊な技法が用いられます。
この毛質を持つダックスフンドは、テリア特有の活発さ、賢さ、気の強さが目立つタイプが多いものの、持ち前の知能の高さから様々なトレーニングを習得してくれます。
ダックスフンドの洋服選び
ダックスフンドの洋服選びは、その体型ゆえ、チェックポイントがたくさんありますが、その中でも特に大切な3点を紹介します。
- 着丈、袖丈が愛犬のサイズに合うかどうか
愛犬の首元から尾の付け根までの長さを「着丈」と呼びます。着丈が余分に長いと愛犬が動き回るたびにめくれ上がってしまったり、尾に被さると愛犬が違和感を覚え嫌がります。愛犬にちょうどいい着丈は何cmかを事前に計っておきましょう。
「袖丈」は、腕の付け根からの袖口までの長さです。袖丈の長さは愛犬の腕の付け根から肘の手前までが理想的です。足先まで袖口が届いてしまうと、歩きながら踏んでしまうこともあるので愛犬のジャストサイズを計っておきましょう。
袖付きの洋服はオシャレなデザインが多いものの、袖口の素材や袖周りの太さによって着用感が大きく変わります。洋服初心者のダックスフンドにはまずは袖無しデザインから始めてみましょう。
- 動きやすいかどうか
遊び好きで活発なダックスフンドにとって、洋服の素材は伸縮性があり、動きを制限しないことが理想的です。
お出掛けやドッグランで過ごす時は、Tシャツ素材など伸縮性の高い素材を。写真撮影や特別な記念日にはデザイン重視のデニムやナイロン素材など伸縮性は低くてもお気に入りの洋服を。
シチュエーションに合わせて素材も選び分けましょう。
- 手軽に洗えるかどうか
犬の洋服は、土埃や抜け毛などで、意外に汚れるものです。使用後は手軽に洗えることも大切なポイントです。フェイクファーや特殊な素材を多用した洋服を選ぶときは、お手入れ方法も購入前に確認しておくと安心です。
暑い季節も、洋服着用がオススメ
暑い季節は可愛い洋服を見つけても、着る機会が無いからと購入を諦めたことはありませんか?犬の服はファッション性はもちろん、機能性も充実していて、季節に応じた工夫が施されています。
雨の多い梅雨どきの毎日のお散歩には、Tシャツ素材で手軽に洗える洋服が大活躍です。雨上がりで濡れた地面から跳ね上がる泥や、雨露で愛犬の体が汚れることを洋服が防いでくれます。手軽に洗える洋服やレインコートを着せてお出かけをすれば、帰宅後にお腹周りを洗ったり、タオルで拭く手間も省けます。
足が短く、地面との距離が近くてお腹周りの汚れが気になる体型だからこそ、洋服はぜひ活用したいアイテムですね。
暑さが本格化するこれからの季節に関しては、以下の観点からも洋服を着用することをオススメします。
- 熱中症予防
胴長短足のダックスは、アスファルトと胴体部との距離が近く、他犬に比べ熱中症を発症する危険性が高いです。
熱中症は、散歩中に突然起こるばかりでなく、途中から徐々に具合が悪くなったり、散歩中は元気だったのに、帰宅直後に激しい症状が起こるパターンもあるので注意が必要です。夏場は日中の散歩やお出かけは控えるべきですが、通院やトリミングなど、やむを得ず暑い時間でも出かけなければならないこともありますよね。そのような時は、メッシュ素材などの通気性の良い洋服を着せたり、冷却効果のある素材を活用した洋服などを選びましょう。洋服を着せることで直射日光から体を守ることができますし、アスファルトの反射熱も軽減できます。
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- 紫外線予防
暑さ対策や抜け毛対策で、夏はサマーカットにするという方も多いのではないでしょうか?
飾り毛をスッキリと切りそろえることで、快適そう、涼しそうという印象になるものの、実はメリットばかりではありません。カットの直前まで被毛で覆われていた皮膚は、サマーカットになることで紫外線を直に浴びることになり、急激な日焼けや紫外線による大きなダメージを追ってしまいます。サマーカットを施した直後に皮膚トラブルが起こってしまうダックスフンドもいます。サマーカットを施している期間は、散歩やお出かけをする時に薄手の洋服を羽織らせてあげると、紫外線予防になり、安心ですよ。
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- 虫刺され予防
毎年6月~9月は梅雨、炎天、紫外線だけでなくノミ・マダニ、害虫の寄生にも注意が必要です。
ノミ・マダニ対策には、駆除剤の使用が一番確実ですが、万全な防虫対策のため、洋服にペット用の防虫スプレーを吹きかけ愛犬に着せるという方法もオススメです。愛犬の体に直接防虫剤を吹きかけるのはなんだか心配という方でも、洋服であれば不安を軽減できるでしょう。足が短く地面や雑草と直接体が触れ合ってしまうダックスの場合、脇や下腹、内股など地面に近い箇所にしっかりと防虫剤を吹きかけておくと安心です。
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- 靴下(アスファルト対策)
様々な理由から暑い季節、暑い時間帯でもダックスフンドを連れてお出かけしなければならないという場合、犬用の靴や靴下も上手に活用しましょう。
暑い季節のアスファルトの表面温度は、体感気温の20度以上になることもあります。体感気温が30度を超える日のアスファルトの表面温度は50度以上です。高温になっている地面をダックスフンドが裸足のままで歩けば当然、火傷を負う危険があります。もしもの時の備えとして、愛犬の肉球を守る方法として靴や靴下も前向きに取り入れてゆきましょう。
暑い季節に販売されている洋服には、その季節ならではの工夫が施されています。愛犬と楽しく、快適にお出かけを楽しむために、洋服も上手に活用してゆきましょう。
※一般社団法人ジャパンケネルクラブ 純粋犬種の犬籍登録、有能・優良犬の普及、畜犬の飼育の指導奨励、動物愛護精神の高揚のために活動している国際的愛犬団体
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