愛犬を抱っこした時にふと感じる不快な臭いにお困りではありませんか?「体質だから仕方がない」と諦めムードの家族が多いかもしれませんが、犬の体臭は生活を見直すことで改善できる場合があります。この記事では、トリマーやペット食育士、ドッグトレーナーの大谷幸代さん監修のもと、ワンコの体臭の原因と、今日からできる対処法について解説します。
体質以外にもさまざまな原因が。犬の体臭はなぜ起こる?
犬の体臭にはさまざまな原因がありますが、主なものは以下の5つです。
- 犬種の特性に由来するもの
ビーグルやダックス、コッカーなどの猟犬種は強い体臭を発することで、群れの仲間同士でお互いの位置や経路に関しての情報を共有します。
- 加齢や持病
加齢や持病が悪化すると、周囲に自分の状況を知らせるために強い体臭を発することがあります。
- 抜け落ちた被毛による蒸れや汚れの蓄積
抜け毛を取り除かずにおくと、皮膚・被毛の通気性が悪化し、蒸れや汚れによる悪臭が発生します。
- 食事による皮脂の過剰分泌
脂肪分・油分の多い食事を続けると、皮脂の過剰分泌やベタツキが起こり、酸化した皮脂から不快な臭いが起こることがあります。
- ストレス
運動不足やメンタル不調など、ストレスが原因で体臭が悪化する場合があります。
体臭改善に効果的な3つの対処法
犬の体臭は体調とも深く関係しているため、強い体臭を感じたり以前とは異なる臭いがする場合は生活習慣を見直すサインと捉えましょう。家庭ですぐに取り入れることのできる対処法は、以下3点です。
1、1日3分でOK!こまめなブラッシング
ワンコの被毛の長さに合ったブラシを選び、被毛の根元までブラシが行き届くよう、丁寧に全身を梳かしてください。抜け落ちた被毛をブラッシングで取り去ることで皮膚と被毛に付いた汚れが落ち、蒸れが改善されます。これにより新陳代謝が向上するため、体臭軽減が期待できます。
<ワンポイントアドバイス!ブラシの選び方>
スリッカーブラシ
プードルやダックスなど毛玉ができやすい犬種にオススメです。毛玉は皮膚の蒸れや臭いの原因になります。脇や内股などブラシが届きにくい場所も丁寧にブラッシングしましょう。
ピンブラシ
パピヨンやポメラニアン、マルチーズなど被毛が長く、細い犬種にオススメです。被毛の流れを整え、埃や絡まりを解消し、皮膚の通気性を向上させましょう。
ラバーブラシ
フレンチブルドッグやスムースコートチワワなど、被毛が短い犬種にオススメです。被毛を立ち上がらせ、抜け毛を取り除くとともに皮膚をマッサージできるので、新陳代謝向上が期待できます。
シャンプーの頻度はそのままで、ブラッシングを毎日の習慣にするだけでOKのとても簡単な方法です。ぜひ今日から始めてみてください。
2、適度な運動
運動をする時間や距離、内容などの見直しも体臭改善に効果的です。運動はストレス発散はもちろん、新陳代謝の向上を促すためです。運動のために外出して外気に触れるだけでも皮膚や被毛の通気性が向上し、ワンコ特有のジメジメとした蒸れ感も解消できます。
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3、良質な食事
良質な動物性タンパク質を主原料とする、栄養バランスの整ったドッグフードを選びましょう。脂肪分の摂りすぎは体臭悪化につながる場合があるので注意が必要です。トッピングは、野菜や低脂肪な肉、魚をメインに考えましょう。私たち人間と同じく、ワンコも季節や体調によって食欲は変動するため毎食同じ量を完食しなくても問題はありません。やみくもなドッグフードの切り替えは、偏食や少食につながる場合があるので最善策ではありません。
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なぜ、脂肪分の摂り過ぎが体臭の原因に?
ドッグフードやジャーキーの中には、嗜好性を高めるために過剰に脂肪分を添加した製品があります。ドッグフードのひとつぶひとつぶを動物性油脂でコーティングする製法などが一般的です。これは、人間がスナック菓子やファーストフードなど脂っぽく、塩分の多い食べ物を美味しいと感じるのと同じメカニズムがワンコたちにも働くためです。
少食や偏食が気になるという理由から食いつきのよい脂肪分高めの食べ物をワンコに習慣的に与えると、一時的に食のお悩みを改善することはできますが、体内には代謝しきれない余分な脂肪分や塩分が蓄積されます。それらは皮脂とともにに体外へ排出され、酸素に触れることで不快な臭いを発します。
脂っこい食事や塩分の多い食べ物を人間が食べ続けると肌のベタツキや体臭が強くなることと同じことが、ワンコにも起こりうるのです。
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洗いすぎは皮膚トラブルのもと。体質改善は長い目で!
これまで解説してきたように、ワンコの体臭改善には外からだけではなく体の内側からのケアが必要です。
臭いが気になるからといって、週に数回、毎日と頻繁にシャンプーをしたり、体臭を軽減するサプリメントを与えることは、皮膚へのダメージや過度な疲労、ストレスという別の問題を引き起こす場合もあります。
また、ドッグフードの切り替えなど、食生活を変化させることによる改善は、良質な食事を長期的に続けることで実感することができます。
体にしみついた臭いが軽減され、家族がその変化を実感できるまでには数か月かかる場合もあります。あきらめずに根気よく、気長に取り組んでいきましょう。