首輪?ハーネス?トイプードルの細い首に合うのはどっち?

ライフ2021年4月15日by 大谷幸代さん
仲良く外出、シエルくんとプティちゃん(@ciel.petit.poodiary)

首輪?ハーネス?トイプードルにBESTなお出かけアイテムはどっち?WEBサイトをチェックしてもどこも意見は様々で、困ってしまいますね。
どちらを選ぶべきかは愛犬の歩き方の癖、性格、体質など幅広い視点から総合的に検討する必要があります。この記事では愛犬の個性に合わせてより良い選択をするための方法について解説します。

購入前に確認しよう!首輪、ハーネスそれぞれの特性

元気いっぱいジャックくん(@jack_boy0220)

オシャレ上級者のトイプードル、首輪もハーネスもデザイン重視で選びたいものですね。でもそこはぐっと我慢、安全を第一に考え愛犬に負担がかからないこと、愛犬が辛い思いをしないことを優先しましょう。どちらを購入すべきか?悩んだ時はそれぞれのメリット・デメリットを考えてみてください。

<首輪>

しつけ教室やドッグショー、アジリティなどトイプードルの扱いにおける上級者は首輪を使用します。十分な知識、経験から安全な首輪の使い方を身に着け、ドッグショーでは幅1cmにも満たない細い首輪だけでトイプードルをスマートにコントロールします。

メリット

  • 着脱が簡単
  • 脇や背中の被毛が摩擦で擦り切れてしまうことがない
  • 洋服を着ている時でも着用しやすい
  • 引っ張り癖の解消につながる

デメリット

  • 長時間着用すると、首の部分の被毛が擦り切れてしまう
  • 首への負担が大きく、怪我や痛みにつながる危険性がある
  • すり抜けてしまう危険がある

<ハーネス>

欧米諸国では犬への負担を最低限に抑えるため、首輪よりもハーネスを推奨する傾向があります。日本でもハーネスが主流になりつつありますが、注意すべきポイントは、欧米における高いしつけの達成度です。欧米では犬のしつけを飼い主の義務と捉えており、公共の場所で無駄吠えや引っ張り癖をするようなことは滅多にありません。安全に散歩やレジャーを楽しめる基盤があるからこそ、”コントロールが効かせにくい”といわれるハーネスが浸透しているのです。

メリット

  • 首への負担が少ない
  • デザイン性が高く、ファッションを楽しめる
  • 脇をしっかりと係留するため、すり抜けてしまう心配が少ない

デメリット

  • 脇、肩、腹部の被毛が擦り切れやすい
  • 着脱を嫌がる場合があり、手間取ることがある
  • 引っ張り癖が悪化する場合がある

<関連記事>困ったトイプードルの引っ張りグセ!対策法

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成長フェーズ、しつけの達成度合いに合わせたチョイスを

トイプードルに多いお悩みといえば、散歩中の引っ張り癖。飼い主の前を勢いよく歩き続けたり、突然走り出すこともあるでしょう。

引っ張り癖には一般的に首輪やチョークカラーでの対策が有効ですが、人間の7歳児程度の知能を持ち、身体能力はアスリート並みと呼ばれるほどに際立ったトイプードルに限っては不向きです。言葉でなく体罰で愛犬に物事を身に着けさせる手法だからです。

NG行為をした時は即座に叩く、体に痛みを与えるという方法が習慣になると、愛犬は委縮し、体罰におびえて暮らすようになり家族への不信感がつのります。さまざまな事象に興味関心を示すことも無くなり、散歩は無気力に体を動かすだけの時間になるでしょう。これでは思い描いていたトイプードルとの暮らしとは程遠い結果になってしまいますね。

愛犬にとっても家族にとっても楽しく、安全な散歩のため、成長フェーズやしつけの達成度合いに合わせた装着具のチョイスをしてゆきましょう。

ハーネスがオススメ:子犬・幼犬・しつけ練習中のトイプードル

生後3か月の頃の、ラテちゃん(@01moka15)

生後半年未満の子犬、幼犬、しつけ練習中のトイプードルには以下3点の理由からハーネスがオススメです。

  • 未成熟な骨格への負担軽減
  • 言葉でのコミュニケーションを習得させ、家族の言葉や指示に従う習慣をつけるため
  • 抜け落ち事故を防ぐため

トイプードルは家族の言葉をほぼすべて理解し、その行動に常に目を向けています。言葉によるコミュニケーションを適切なタイミングでかわすことでトレーニングの質を上げることができます。

”NGなことをした時は即座に家族から声がかかる、指示がある”と愛犬が理解することができれば、お出掛けもぐっとスマートになります。

ハーネス選びのチェックポイント

  • 愛犬の体に合ったサイズであること
  • 首に直接的な負担がかからない形状
  • 装飾や部品による誤飲が起こりにくいデザイン
  • 耐久性が高く、安全性が確保された製品

トイプードルの骨格はとても細く華奢です。ハーネスを購入する際は愛犬の体に密着したサイズであることをしっかりと確認しましょう。脇や腹の部分に余計な弛みや隙間があると、すり抜けの原因になります。

ビーズやリボンなど装飾のあるハーネスは誤飲をしてしまう危険があるため、しつけが完了するまでは機能性重視のシンプルなハーネスを選んでおきましょう。

トレーニング用ハーネスがオススメ:引っ張り癖の強いトイプードル

愛犬の引っ張り癖が気になる場合は、犬の胸骨部分にリードの結び目があるトレーニング用ハーネスがオススメです。犬の前胸の部分で愛犬の首から胸にかけてそっと触れると骨の突起がありますが、この部分にリードのある形状です。胸骨にリードの結び目があることで、愛犬が引っ張り歩行をした時に自然と体の向きが変わり、それ以上の前進ができません。人間で例えると、両肩に手を置き振り向かせるような手法です。

この方法ならトイプードルの細い首に負担がかかる心配もありません。

もちろんこのハーネスはあくまでもしつけの補助具でしかありません。引っ張り癖をなおすためには、リードを引っ張る愛犬を立ち止まらせるたびに家族が声をかけ、どう歩くべきか、何がNG行為なのかを愛犬にしっかり伝えてゆきましょう。

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首輪もOK:お出かけ上級者のトイプードル

赤コーディネートがお似合い、らむちゃん(@ram_cham0710)

引っ張り癖もなく、家族の歩調に合わせ歩くことができる、突発的な無駄吠えも威嚇行動もないお出かけ上級者のトイプードルには首輪もOKです。洋服やカットスタイルに合わせ、首輪もお洒落アイテムの1つとして着こなしを楽しみましょう。

クッション素材を用いたハーネスがオススメ:シニア期のトイプードル

興奮した時や激しい運動をした時に逆くしゃみと呼ばれる激しい息遣いをすることがあるでしょう。

シニア期になると呼吸機能の低下が進み、散歩やお出かけ時に呼吸の苦しさが気になることも増えてゆきます。

少しでも体への負担を軽減するため、シニア期のトイプードルにはクッション性の高い素材や身体構造に即して作られた高機能のハーネスがおすすめです。

首輪は大切な身分証明書。常に着用の習慣を

自宅でもしっかり首輪を着用、チワプーのロアくん(@__loa.0417__)

トイプードルとの暮らしではお散歩やお出かけにはハーネスを使い、帰宅後は外しているというご家庭が大多数ではないでしょうか。

トリミングショップでもカットスタイルを維持するため、この方法が薦められますが、首輪は大切な愛犬の身分証です。言葉を持たない犬達が自分には家族がいるということを周囲に伝える唯一の方法です。

日本では犬の飼育には鑑札を常時着用させなければならないという飼い主の義務があります。これは外出中だけでなく、屋内や自宅敷地内でも例外ではありません。お散歩やお出かけ時は、思わぬ出来事に遭遇しハーネスや首輪がすり抜けてしまう場合があります。

家族が玄関を開けた瞬間に突然愛犬が脱走してしまう事故も後を絶ちません。このような場合でも、愛犬が必ず家族の元へ戻れるよう、家族の連絡先がかかれたチョーカーや細く軽量の首輪などを、いつも着用しておくことも大きな安心につながります。

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記事執筆&監修:
大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

WANTIMES は、愛犬の健康を第一に考えた 国産ドッグフードブランド「レオ&レア」が お送りしています。

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