ワンコのトイレは朝夕2回のお散歩中に済ませているという方が多いのではないでしょうか。この場合、トイレとトイレの間隔が12時間以上空くこともありますが、長時間の我慢はワンコにとって快適とは言えません。若く健康な頃は、トイレを我慢したり、状況に応じて調整することができていたワンコも、加齢すると次第に失敗が目立ち始めるようになります。この記事では、ドッグトレーナーの大谷幸代さん監修のもと、シニア期を快適に過ごすために、若いうちから身に着けるべきトイレ習慣について解説していただきました。
6時間以上のトイレ間隔は、ワンコの体に負荷が。
生後1年未満の子犬期は、1日に何度もトイレをするためトレーニングに手を焼くものですが、成長して内臓機能が発達すると、我慢やタイミングのコントロールが可能になります。気がつけば、トイレは朝夕の散歩中のみとなり、家の中ではしないという習慣が身についていることでしょう。
しかし、この朝夕2回のトイレは、場合によっては12時間以上の我慢を強いることになります。一般的に6時間以上の我慢は膀胱への負荷につながり、ストレスを感じます。
犬は、6歳を超えるとシニア世代となり、身体機能の衰えが目立ち始めます。加齢による衰えは、トイレ習慣にも影響し、排泄機能の低下もその中のひとつで、次第に失敗が目立ち始めるようになります。
加齢によるトイレのお悩みサイン
- 屋内でトイレをしてしまう。
- ベッドやソファーなど、いつも寝ている場所にトイレをしてしまう。
- 1日に何度も散歩やトイレに出掛けたいと催促をする。
- 済ませた直後も再度トイレをする素振りを見せたり、実際に排泄をする。
このような行動は、ワンコ自身が加齢によるトイレの悩みを抱えているサインです。トレーニングを忘れてしまったり、悪意からのイタズラではなく、膀胱機能やその周辺の筋肉が低下し、意思とは関係なくトイレを我慢できなくなってしまうための行動なのです。加齢によるトイレのお悩みは、しつけや我慢では解決できません。シニア期を迎えるワンコの生活習慣の見直しが必要なのです。
若いうちからトレーニングを始めよう
それでは、生活習慣の見直しはいつから始めればよいのでしょうか?トイレの失敗を繰り返したり、失敗による家族の悩みが深刻化してから専門家や動物病院に相談するケースが多くありますが、シニア期を迎えてからの習慣変更はワンコにストレスを与えます。快適なシニア期を彩る習慣を身に着けるため、以下に挙げるようなトレーニングは健康で元気なうちに始めておくと安心です。
- オムツの着用に慣れる。
- トイレシーツの使用に慣れ、屋内でもトイレができるようにする。
- トイレの間隔を狭め、1日に数回トイレに出掛けることのできる生活リズムを作る。
- トイレサークルを広く、周囲に敷居のある形状に変える。
なぜこのようなトレーニングが必要になるかというと、足腰が弱って自力でお出掛けをしたり、雨の中でも元気に散歩に出かけることが難しくなるためです。これまでの様に、散歩の時間までトイレを我慢できないことも増えます。また、トイレの間隔も、その日の食事に含まれる水分量や体調・天気や気温・気分やストレス・運動量など様々な要因で左右され、一定ではなくなってゆきます。
初めてのオムツは短時間の練習から。ジャストサイズで快適に。
オムツの着用は家族にとっても、ワンコにとっても不安や抵抗があるものです。お腹の部分に特有の圧迫感がありますし、寝転んだ時の感触を不快に感じるワンコも多いですが、付け慣れていると留守番や夜間も清潔に過ごすことができるというメリットがあります。 オムツの付け始めは、たいていのワンコが無理矢理はずしたり、ビリビリに破いてしまいがちです。我が家のワンコだけ・・・と考えて諦めることはせず、これから紹介するトレーニング法を参考に少しずつ慣れていきましょう。
オムツの着用に慣れるには、
- サイズの合ったオムツを着用する。
- 短時間の着用から始める。
- 洋服やマナーベルトを重ね付けする。
- 排泄後はすぐにオムツを交換する。
などの方法が効果的です。
高性能なオムツは、オシッコ数回分の吸収量があったり、皮膚や被毛が濡れないように工夫がされたりしていますが、ワンコの敏感な嗅覚はオムツから漂う臭いを察知します。トイレから遠ざかったはずなのに、いつまでも自分の体からオシッコの臭いが消えないとなればストレスは増大するばかりです。原因となるオムツを無理にでも外そうとするでしょう。オムツ利用時は、製品の性能に頼りすぎず、いつでも清潔に使用できるよう心掛けてあげましょう。
室内でのトイレを習得する
ワンコの散歩は、時に家族の負担になることもあります。天気の悪い日や寒い日はワンコにとっても必ずしも快適ではありません。特にシニアになると、2〜3時間おきにトイレをもよおすことも増え、都度散歩に連れ出すのも難しくなるでしょう。屋内でもトイレを済ませられることは、ワンコにとっても家族にとっても快適な暮らしにつながります。
室内トイレの教え方
・ワンコの体が十分おさまる広さのトレーを用意する。
トレーが狭い、出入口に段差がある、壁面が高く圧迫感がある、などの場合、ワンコが警戒してトイレの失敗の原因となることがあります。しつけ始めは十分な広さのトレー使用がオススメです。
・ 家族の生活導線から外れた、静かで人目を感じない場所にトレーを設置する。
せっかく設置したトレー、きちんと使っているか気になるところですが、すでに成犬で精神的にも自立したワンコにとって、家族からのトイレ監視は、快適ではありません。 家族がトレーに関心を示せば示すほど、ワンコはトレーを警戒するという悪循環に陥ります。あえて家族から見えにくい場所にトレーを設置し、無関心を装うことも成功への近道です。
・トイレしつけ用スプレーや匂い付きシーツを活用する。
トイレしつけ用製品の多くはアンモニア成分が配合されています。アンモニア成分は犬のオシッコの臭いです。人間の嗅覚では感知できない僅かな臭い成分を配合することで、犬の敏感な嗅覚を刺激し、その場がトイレだと犬に認識をさせます。
犬の脳はアンモニア臭を感知すると、条件反射で尿意を感じ、これは屋外でのマーキングと同じ仕組みです。家族がつきっきりでトイレの場所を教えなくても、トイレ特有の臭いを漂わせることで、スムーズにトイレの場所だと認識させることができます。
この3点の他にも、
・ ワンコがトレーをすぐに使用しない時でも、撤去せず気長に様子を見る。
・食事、飲水後、散歩に出かける直前など、トイレを済ませるタイミングでトレーに連れてゆく。
・ワンコがトレーを使えた時は、たくさん褒め、ご褒美のオヤツを与える。
などの工夫で室内トイレの習慣化に取り組んでゆきましょう。
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まとめ
ここまで解説したように、シニア期を迎えるまでに身に着けたいワンコのトイレ習慣は、オムツやトイレシートの使用や屋内での排泄です。
散歩中や屋外でのトイレに慣れたワンコにこれらの習慣を習得させることは簡単ではありません。子犬期にトイレトレーニングをした時よりも数倍の時間と家族の努力が求められますが、身に着けることで、天気や体調に左右されず、いつでも室内や自力でトイレを済ませることができるようになります。諦めず、叱らず、快適なシニア期の暮らしを見据え、気長にトイレのしつけ直しに取り組んでゆきましょう。
ワンコはいつでも家族の笑顔をみたいと期待しています。子犬の頃と同じ様に、トイレトレーニングが成功した時は、思い切り褒めて、ご褒美のオヤツで一緒に笑顔になってください。
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