【専門家監修】カフェでも安心!ワンコの食事、定番マナー5選

しつけ2021年12月2日by 大谷幸代さん

街中でワンコOKなカフェを見かけたり、お休みはワンコと一緒に旅に出たいと考えつつ、「我が家にはちょっと無理かも・・・」と考え、諦めてしまった経験はありませんか?「このしつけができていればお出かけも心配なし!」というような明確なラインはなく、外出先の施設で求められるルールも様々です。思いもよらぬトラブルや注意を受け、気持ちが沈んでしまうこともあるでしょう。

この記事では、ワンコと一緒だからこそ心掛けたい飲食店でのマナーについて取り上げ、解説します。

食事の基本マナーを身に着けよう

カフェはもちろんのこと、宿泊施設や高速道路のサービスエリア、さらには居酒屋や焼き肉店まで、ワンコOKな施設が続々と誕生していますね。愛犬と一緒に食事や遊びを楽しめる場所が増えることはとても嬉しく、ワクワクします。

しかし、いざ初めて足を運ぶとなると、こんな不安を感じることはありませんか?他犬や人に吠えてしまうかも・・・店内でトイレをしてしまかも・・・愛犬の動きをコントロールできず、お店の方に注意されてしまうかも・・・。ワンコの不意打ちの動きは事前想定や制御が難しく、もしもの事を想定すると心配事が尽きなくなってしまいますね。

ワンコがマナー違反をしてしまう確率が一番高いのは、美味しい食べ物が目の前にある飲食店です。美味しい香りや家族の雰囲気などの刺激で理性を保つことは難しいでしょうから仕方がありません。

日ごろから、食べ物を前にした時のマナーをワンコに身に着けてもらい、いつでもどこでも気軽にお出かけし、一緒に楽しく過ごせるようにしていきましょう。

基本マナーは外出先でも家庭内でも同様に

しつけ全般にいえることですが、ワンコと家族の約束事を決め、一貫性のある行動を示し続けると、ワンコはマナーを身に着けることができ、どこへでも一緒に安心してお出かけすることができます。

食事に関するマナーでは、ワンコのご飯と家族のご飯は別物と教えることが重要です。自宅ではOK、外出先ではNGと、異なるルールを設けてもワンコには場面に応じた使い分けが難しいからです。そのための約束事としては、食卓から愛犬に食べ物を分け与えない・食事中に愛犬を椅子や膝の上に乗せない・家族の食事への催促吠えの禁止などが例として挙げられます。

催促吠えが目立つ場合、家族の食事中は

  • ハウス内で過ごさせる
  • 知育玩具を与えるなどして、別のことに集中させる
  • 家族の足元にカフェマットやタオルを敷き、決められた場所で待機させる

などの方法を取り入れてみてください。

家庭内だからと家族の食事中に愛犬の自由すぎる行動を受け入れてしまうと、外出先でも愛犬は家庭内と同様の行動をとってしまいます。

  • 美味しい食事の香り
  • 家族の楽しそうな雰囲気

といった条件や、催促をすれば食事を分けてもらえる・椅子や膝の上に乗せてもらえる、などの過去の実体験が揃えば、愛犬は家庭でも外出先でも違いを感じません。いつも通りの行動を取るのも当然です。

ワンコとの約束事はいつでもどこでも同じと決めて愛犬に接することで、双方が戸惑うことなく快適な時間を過ごすことができるようになります。

ドッグカフェで求められる定番マナー5つ

テラス席のみペットOK、家族と一緒のテーブルに着席OK、ワンコ連れ専用エリアがあるなど、ワンコが入店可能なカフェといってもそのスタイルは様々です。お店に足を運び、案内を確認することで初めて具体的な利用ルールがわかることもあります。

こんな話を聞くと、初めてのお店は事前にルールがわからず不安を感じ、ワンコ連れでのお出かけをためらってしまうかもしれませんが、一般的にペット連れOKな飲食店で求められる定番のマナーを知っておけば安心です。

1.ワンコは客席の椅子ではなく、リードを短くして持ち、家族の足元に座らせましょう。

飲食店によってはペットの着席が可能だったり、ペット専用チェアが用意されている場合もあるので、着席での撮影、お祝いを計画している場合は事前に確認をしましょう。

2.テーブルの人間用メニューを愛犬に分けあたることは避けましょう。

「家族だから」「自宅では当たり前だから」と、ついつい食べ物を愛犬におすそ分けしてしまいがちですが、この行為を不衛生・不快と感じる他の飼い主もいます。人間用メニューの愛犬へのおすそ分けは控えましょう。

3.他犬や他人と触れ合うほど近づく場合は、必ず事前に声をかけ、安全を確認したうえでゆっくりと距離を縮めます。

この時、リードをしっかりと持ち、愛犬の不意をつく行動に注意を払いましょう。初対面の犬同士は、一見仲良くふるまっていても、一定以上の距離を近づくことで突然喧嘩になることがあります。特に食べ物が周囲にある状況では予想外のトラブルも少なくありません。

犬には他人や初対面の相手と食べ物を分け合う習性がありません。自分の目の前に置かれた食べ物は自分だけの分と理解し、無暗に近づいてくる相手には食べ物を横取りされてしまうのではないかと警戒心をいだきます。

犬同士のトラブルを回避するため、触れ合うほどの距離まで近づける前に、飼い主同士で許可を取り合いましょう。また家族以外の人間、特に小さな子供を怖いと感じる犬もいます。他人が無暗に愛犬に触れないよう、愛犬からは目を離さずに過ごしましょう。

4.トイレは入店前に済ませましょう。

うんち袋や洗い流し用の水を携帯し、トイレ跡はしっかりと片付けましょう。店内でのマーキングが不安な場合は、マナーベルト・マナーパンツを着用しましょう。愛犬のウンチの処理は利用先の店や施設に依頼せず、飼い主が持ち帰ります。施設によって専用ゴミ箱がある場合もあります。持ち帰りが難しい場合は、スタッフに相談をしましょう。

5.ワンコ用メニューを注文する場合、他犬からの攻撃や過度な警戒、食べ残しなどに目を配りましょう。

カフェ時間が更に楽しくなるワンコ専用メニューの注文。しかし、ワンコ専用メニューは犬同士で食べ物の独占や威嚇など、トラブルの原因になることもあります。せっかくの食事も様々な理由から食べ残してしまうワンコもいます。ワンコもがカフェで食事をする際は様子をこまめに観察し、食べ物の管理を曖昧にせず、食べ残す場合はすぐに片づけましょう。

📸:カフェでワンコ用ピザを楽しむころろくん(@kurukoro0330)

定番マナーを覚えたら、あとはお店や施設の独自ルールに応用を利かせればよいだけです。マナーは家族やワンコが快適に楽しく過ごす事はもちろん、周囲に迷惑や不安を与えないためにも大切です。毎日のお家でのご飯タイムを上手に活用しながら練習を重ねてみると、この5つのマナーは意外と簡単に身に着けることができます。

楽しく、ストレスフリーな愛犬とのお出かけを実現するため、マナー習得にチャレンジしてみましょう。

緊張しがちなワンコには、マット持参でプライベートエリアを作ろう

📸:色違いお洋服でお出かけ、モコちゃんモカちゃん(@mocomoka)

怖がり、内弁慶、他犬が苦手などシャイな性格のワンコにとって、たとえ家族が一緒でも初めて訪れる場所で食事をしたり、落ち着いて過ごすのは簡単なことではありません。落ち着かない気持ちでソワソワしてしまい、周囲を歩き回ってしまうこともあります。これでは家族もリラックスした時間を過ごせません。

このようなタイプのワンコには、カフェマット持参をおすすめします。

外出時は小さく折りたたんでバックに入るサイズの薄手のマットを携帯し、以下ステップで使用しましょう。

  • 着席し、家族の居場所が決まったら、足元にマットを敷きます
  • 愛犬がマットの上に座るよう促します
  • 座ることができたら、大いに褒めてあげてください

使い慣れたマットが敷かれていると居場所が明確になり、愛犬にの安心感につながります。他犬に興奮しマットから立ち上がってしまうこともありますが、そんな時は優しい口調でマット上に戻るよう愛犬に促しましょう。この手順を繰り返すことで愛犬はマットを専用エリアと認識し、マット上であればいつでもどこでも落ち着いて過ごすことができるようになります。

マット上を専用エリアと認識させる練習は、自宅で家族が食事をするときなどにもおこなっておくと効果的です。

家族のそばに居ると安心できるタイプの小型犬には、ペットカートを家族のテーブル脇においてOKな飲食店もオススメです。ペットカート上であれば視線が高くなるので家族の顔がすぐそばに見ることができ、初めての場所でも安心できるでしょう。

ご飯大好きなワンコには“先に満足させる”方法が効果的

ご飯大好きだったり、社交的で元気いっぱいなワンコにとって、飲食店はまさにテーマパーク。あらゆるものに興味を引かれ、じっとしていられないということもあるでしょう。

一見微笑ましい光景ですが、周囲に居るシャイで怖がりなワンコからすると、積極的過ぎるアプローチは喧嘩の原因にもなります。

このようなタイプのワンコには、その好奇心や食べ物への興味関心を先に満たす方法が効果的です。

  • 入店したら店内を1周し、臭いや他犬の存在を確認する。(この時、他犬と触れ合うほどの至近距離での挨拶は控えましょう。)
  • 着席したら、リードを短く持ち、愛犬が落ち着けるようオスワリやマテなどの声がけをします
  • 愛犬が夢中になれる知育玩具などを与えます
  • 家族の食事中は知育玩具で遊ぶよう、促しましょう

愛犬の食事やオヤツよりも先に家族の食事がテーブルに並ぶと、ご飯大好きなワンコはそちらに気を取られ、催促をしてしまいます。だからこそ先に愛犬を満足させ、他のことに意識を反らす方法が効果があるのです。

カフェデビューのおすすめはテラス席から

📸:カフェ時間を楽しむラルディーニくん、クルチアーニくん(@lardini_cruciani)

ワンコOKな飲食店デビューをしてみたい、まだ行ったことのないお店にも足を運んでみたいという方は、まずはテラス席からスタートしてみてください。

利用客以外に通行人や車両、天候など、多様な情報で満ち溢れるテラス席は、食べ物や他犬などに集中しがちな愛犬の注意を逸らすのにぴったりです。周囲の状況にアンテナをたて、情報収集を進める間に気がつけば家族の食事さえ催促せずに過ごせるようになるでしょう。

ワンコOKな飲食店では、愛犬だけでなく周囲の状況にも目を配り、基本的なマナーを心掛けながら快適で楽しい時間を過ごしましょう。

記事執筆&監修:
大谷幸代さんドッグトレーナー

大学在学中にイギリスへの短期留学を経験し犬とのライフスタイルを学びペットビジネスの世界へ。20年以上にわたり生体販売、トリマー、トレーナー、店舗開発、成田空港内ペットホテル開業にと従事。現在は3匹の保護犬と1匹の保護猫をパートナーにペット用品の開発、コラム執筆、専門学校講師として活動中。

WANTIMES は、愛犬の健康を第一に考えた 国産ドッグフードブランド「レオ&レア」が お送りしています。

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