ワンコが口元をペロペロとなめる行動。おいしそうな食べ物を前にした時によくみられますが、実は怒ったヒトの顔を見た時もよくみられる行動なのだとか! 嗅覚が鋭いイメージのワンコですが、実はしっかりとヒトの顔を見て、感情を感じ取っているんです。
17匹の犬に幸せな顔と怒った顔を見せて実験
サンパウロ大学のNatalia Albuquerque氏らの研究(2017年)によると、犬は怒った顔に反応して口元をなめることがわかったそう。
実験では、17匹の成犬が幸せな顔と怒った顔をした犬、ヒト(男性・女性)、それぞれの写真と音を組み合わせて反応を調査しました。
その結果、
・ヒトの怒った顔だけが、犬が口元をなめる行動の引き金となった
・聴覚刺激よりも、視覚刺激に反応している
ということがわかったそう。
実験の動画では、怒った顔を見て、口元をなめながら後ずさりする犬の様子が映っており、しっかりとヒトの顔を認識して、反応していることがわかります。
犬がヒトとコミュニケーションを取るために進化した!?
ワンコたちがヒトの顔をよく見ているという研究は、他にもいくつか存在します。
例えば、同じくサンパウロ大学のCorsin Müller氏率いるチームの研究では、ヒトの幸せな顔と怒った顔を区別し、怒った顔に嫌悪感を覚えるということがわかっています。
また、エモリ―大学のGregory Berns氏の研究では犬が人間の顔を認識して処理するための脳の領域をもっているということを発見しました。
この結果を受けて、研究者たちはヒトと関わっていた長い歴史の間で、犬がよりヒトとコミュニケーションをとるために進化したのではないかと考えているそう。
想像している以上に私たちの顔を見ているワンコたち。もしあなたの顔を見て犬が口元をなめていたら、笑顔になることを心がけてくださいね。